My Library Home

帝國政府声明文

大日本帝国政府

昭和16年12月8日朝日新聞より



【午前零時二十分發表】

恭(やうやし)く宣戦の大詔(たいしょう)を奉戴(ほうたい)し茲(ここ)に中外に宣明す、抑抑(そもそも)東亞の安定を確保し、世界平和に貢獻するは、帝國不動の國是にして、列国との友誼(ゆうぎ)を敦くして此の国是の完遂を図るには、帝國が以(もっ)て国交の要義と為す所なり

然るに、曩(さき)に中華民国は、我真意を解せず、徒に外を恃(たの)んで、帝國に挑戦し来たり、支那事変の発生を見るに至りたるが、御稜威(ごりょうい)の下り、皇軍の向かう所敵なく、既に支那は、重要地点悉く我手に帰し、同憂具眼の士国民政府を更新して帝國は之と善隣の誼を結び、友好列国の国民政府を承認するもの已に十一箇国の多きに及び、今や重慶政権は、奥地に残存して無益の抗戦を続くるに過ぎず、然れども米英両国は東亞を永久に隷属的地位に置かんと頑迷なる態度を新たむるを欲せず、百方支那事変の収結を妨碍(ぼうがい)し、更に蘭印を脅威し、帝國と泰国との親交を裂かむがため、策動至らざるなし、仍(じょう)ち帝國と之等南方諸邦との間に共栄の関係を增進せむとする自然的要求を阻害するに寧日(ねいじつ)なし、その状恰も帝國を敵視し帝國に対する計画的攻撃を実施しつつあるものの如く、遂に無道にも、経済断交の挙に出づるに至れり、凡そ交戦関係にあらざる国家間における経済断交は武力に依る挑戦に比すべき敵対行為いして、それ自體默過し得ざる所とす、然も両国は更に與国を誘引して帝國の四辺に武力を増強し、帝國の存立に重大なる脅威を加ふるに至れり

帝國政府は、太平洋の平和を維持し、以(もっ)て全人類に戦禍の波及するを防止せんことを願念し、叙上の如く帝國の存立と東亞の安定とに対する脅威の激甚なるものあるに拘わらず、隠忍自重八箇月の久しきに亙(わた)り、米国との間に外交交渉を重ね、米国とその背後にある英国並びに此等両国に付和する諸邦の反省を求め、帝國の生存と権威との許す限り、互譲の精神を以て事態の平和的解決に努め、盡し、為す可きを盡くしたり、然るに米国は、徒に架空の原則を弄して東亞の明々白々たる現実を認めず、との物的勢力を恃みて帝國の真の国力を悟らず、與国(よこく)とともに露はに武力の脅威を増大し、もって帝國を屈従し得べしとなす、かくて平和的手段により、米国ならびに與国に対する関係を調整し、相携へて太平洋の平和を維持せむとする希望を方途とは全く失われ、東亞の安定と帝國の存立とは方に危殆に瀕(ひん)せり、事茲にに至る、遂に米国及び英国に対し宣戦の大詔は渙発せられたり、聖旨を奉体して洵(まこと)に恐懼感激に堪えず、我等臣民一億鐵石の団結を以て蹶起勇躍し、国家の総力を挙げて征戦のの事に従ひ、以て東亞の禍根を永久に芟除し聖旨に応へ奉るべきの秋なり

惟に世界万邦をして各各その處を得しむるの大詔は、炳(へい)として日星の如く、帝國が日満華三国の提携に依り、共栄の実を挙げ、進んで東亞興隆の基礎を築かくとするの方針は、固より渝(わ)る所なく、又帝國と志向を同じうとする独伊両国と盟約して、世界平和の基調を劃し、新秩序の建設に邁進するの決意は、益々牢固たるものあり、而して、今次帝國が南方諸地域に対し、新たに行動を起すの已むを得ざるに至る、何等その住民に対し敵意を有するにあらず、只米英の暴政を排除して東亞を明朗本然の姿に復し、相携へて共栄の楽を頒たんと冀念するに外ならず、帝國は之等住民が、我が真意を諒解し、帝國と共に、東亞の新天地に新たなる発足を期すべきを信じて疑わざるものなり、今や皇国の隆替、東亞の興廃は此の一挙に懸れり、全国民は今次征戦の淵源と使命とに深く致し、苟も驕ることなく、また怠る事なく、克く竭し克く耐へ、我等祖先の遺風を顕彰し、難関を逢ふや必ず国家興隆の基を啓きし我等祖先の赫赫たる史跡を仰ぎ、雄渾深遠なる皇謨の翼賛に萬遺憾泣きを誓い、進んで征戦の目的を完遂し、以て聖慮を永遠に安んじ奉らむことを期じさるべからず。


Page Top | My Library Home