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罰金は「0円」、温情判決…京都地裁、記憶喪失で万引の男に

2007 年4 月25 日(京都新聞)



京都府城陽市のスーパーで万引をしたとして、窃盗罪に問われた記憶喪失の男の判決が25日、京都地裁であった。東尾龍一裁判官は、男が自分の名前や住所すら思い出せないことに触れて「犯行の背景には記憶喪失があり、同情の余地がある」と述べ、罰金15万円(求刑罰金20万円)を言い渡した。未決拘置期間を1日1万円と換算して刑に算入し、罰金を全額払った形にする「温情判決」となった。

判決によると、男は2月22日にスーパーで弁当や酒(計1723円相当)を盗んだ。その3、4カ月前に山で寒くて目が覚めた時からの記憶がないといい、駐車場や地下街で寝泊まりしながら、ひたすら歩く生活をしていた。

男は公判で「昭和26(1951)年か27年の生まれで、広島の方から歩いてきた」と述べたが、弁護人によると、今も記憶ははっきりしていない。

東尾裁判官は「空腹をしのぐためだが、やったことは悪いこと」と諭した。その上で「弁護士や検察官もあなたがまっとうに生きてほしいと手を尽くした。世の中それほど捨てたものではない。人を信用し、交番に行くとか弁護士に相談するなどして悪いことはしないように。私に会いに来てくれても、できるだけのことはする」と述べた。

男は判決後釈放され、保護施設に入ることになる。
検察側は、罰金の略式命令では「金も身よりもない男が困る」としてあえて公判請求を選び、弁護人とともに男が施設に入れるように関係機関に働きかけていた。


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