南雲中将最後の訓示

昭和19年7月6日、南雲忠一海軍中将が発した最後の訓示。
翌7日、南雲中将率いる約3,000名の日本軍は、最後の「万歳突撃」を敢行して玉砕して果てた。9日、米軍はサイパン島の占領を宣言した。



中部太平洋方面艦隊司令長官訓示

 サイパン島の皇軍将兵に告ぐ。米軍進攻を企圖してよりここに二旬餘、全在島の将兵及び軍属はよく協力一致、善戰敢鬪、随所に皇軍の面目を發揮し負荷の重任を完遂せんことを期せり。
 然るに天の時を得て、地の利を占むる能はず、人の和を以て今日に及びたるも、今や戰ふに資材なく、攻むるに砲類悉く破壊し、戰友相次いで倒る。
 無念七生報復を誓ふ暴虐なる進攻依然たり。
 サイパンの一角を占領すると雖も熾烈なる砲撃下に散華するにすぎず、今や止まるも死、進むも死、生死須らくその時を得て帝國男子の眞骨頂あり。
 今や米軍に一撃を加へ太平洋の防波堤としてサイパン島に骨を埋めんとす。
 戦陣訓に曰く生きて虜囚の辱めを受けず勇躍全力を尽くして従容として悠久の大義に生きるを悦びとすべし。
 茲に将兵とともに聖壽の無窮皇國の彌榮を祈念すべく敵を索めて發進す。 續け。


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