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あいつは、俺にとってペットではなく、妹だった

作者不詳

2ch



ペットネタだけど、あいつは、俺にとってペットではなく、妹だった。
昔、一匹の猫を拾った。
雨の中で、小さな段ボールの中に、牛乳とパンが置いてあった。
寒さで凍えそうになっていた、あいつを抱きかかえて、あの日から21年。
8月の最期の日、出会いの日と同じ雨の日に、愛猫は旅立っていった。
その後の事は、自分でもよく覚えていない。
何も感じない時間と、胸が押しつぶされるような悲しみと寂しさが交互にやってきた。
そして、迎えた月曜日。
どうしても、立ち上がる事が出来ず、俺は会社を休んでベッドで横になっていた。
どうしても、家にいなければいけないと感じた。
いつの間にか眠ってしまっていたんだと思う。
俺は、夢の中で、繁華街の裏路地のような所に立っていた。
月明かりが綺麗で、音は何も聞こえない。
その路地に、旅立ったはずの愛猫の姿があった。
歩み寄って、逃げてしまわないか心配しながら、あいつの名前を呼ぶと、あいつは、俺の足をよじのぼり、抱きしめるようにお腹をペタリとくっつけて来た。
そこから流れ込んでくる「ありがとう」と「幸せだったよ」の言葉。
しばらく、そうしていた愛猫は、やがて細い路地へ歩いて行った。
俺が、彼女の名前を叫ぶように呼ぶと、まるで名残惜しそうに、こっちを一回だけ振り向いて、その細い路地の奥へ消えていった。
心霊じゃないかもしれない。
だけど、きっと、愛猫がお別れを言いに来てくれたんだと思う。

俺はこれからを、どうしたらいいのか分からないけど、天国へ行けるように、とにかく何かを頑張って、いつか虹の橋で、彼女を抱きしめてあげたい。
あの夢を見てから、今まで信じていなかった魂とか、そういうものを何となく信じるようになった。
今までやった事もない、仏壇へのお祈りは、毎日欠かしません。
ありがとう。俺の妹。
君は、命を終えてからも沢山の事を教えてくれる。
俺は今、とても幸せです。


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