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まだデモしかやってないんでしょう。それで変われるわけないじゃん

上祐史浩

2012年7月2日発売の『週刊プレイボーイ』より。写真家で文筆家の藤原新也氏のインタビューに答えて。



自分が思うのは、もっと何か大きなことが起こったら、国民は初めて「やるしかない」と精神が統一されて変わるだろうけど、3・11現象だけで変われるかというと、わからない。「これほどデモをやってるのに再稼働が止められない、政治が変わらない」という不満も聞きますが、それは、それぐらいしか変えようと思ってないということなのでは。本当に変わるのは維新の志士のように皆が必死になるときではないでしょうか。

サリン作って、炭疽菌(たんそきん)作って、自分たちも死ぬ思いをして、死ぬ恐怖を抱えて革命しようと思った妄想で狂ってる人間たちから見ると、「なんだよ、まだデモしかやってないんでしょう」って。「それで変われるわけないじゃん」って。もともとデモぐらいの努力で変えられるものだったら、オウムも選挙で勝ってたろうし。

だから、少なくとも犠牲を覚悟して、「経済なんかどうでもいい。環境が第一だ!」 「失業してもいい。オレたちはそれで自殺はしない。 だから野田首相ぜひ止めてください」って言えば、野田首相も止めるでしょう。

だから、「どうしたら今の政治が、国が、変われるのか」という話を聞くと、私は、「本当に皆、変わりたいのかな」と違和感を覚えるのです。 そしてもし、その本音が、長い地道な努力の積み重ねではなく、誰かに委ねて楽に変わりたいということならば、それはオウムのように危険だなと。


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