My Library Home

盂蘭盆経うらぼんきょう

仏教

偽経



目次

第一章 |  第二章 |  第三章 |  第四章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

仏陀が、祇園精舎に止まっていた時のこと、
神通力を身に付けた、マハーモッガラーナが、
亡き母親が、どこに転生したのか、探していた。

彼の母親は、骨と皮ばかりで餓鬼界に居た。
彼が、彼女に、御飯を食べさせようとしても、
口に入れた瞬間、炭になって食べられなかった。

モッガラーナが、泣きながら、報告すると、
仏陀は、モッガラーナに、このように言った。

「モッガラーナよ、母の犯した罪は大きい。
汝一人の力では、これは、どうしようもない。
たとえ、神の力を借りても、どうにもならない。」

「モッガラーナよ、解脱するしかないのだ。
いまから、その方法を教える、解脱しなさい。
そうすれば、汝の苦しみや、彼女の罪が消える。」

 

第二章

仏陀は、モッガラーナに、このように言った。

「七代の先祖から、現在の父母に至るまで、
厄難の者の為に、七月十五日の僧自恣の時に、
次に挙げるものを、十方の大徳に供養しなさい。」

「御飯、果物、水、香油、燭台、敷物、寝具。
これらを、盆中に分けて、大徳に供養しなさい。」

「この日、すべての比丘が、同じ思いとなり、
この供物を頂くならば、その徳は大きいだろう。

たとえ、山中で坐禅していても、そうしなさい。
たとえ、四道の果報を得ようと、そうしなさい。
たとえ、樹下で読経していても、そうしなさい。
たとえ、神通で教化していても、そうしなさい。
たとえ、衆生を済度していても、そうしなさい。」

「この日、すべての比丘が、同じ思いとなり、
この供物を頂くならば、その徳は大きいだろう。」

「父母も先祖も、三途の苦悩を出るだろう。
父母は寿命が延び、人間の苦悩が減るだろう。
先祖は七代に遡って、天人の福楽を得るだろう。」

 

第三章

仏陀は、十方の比丘に対し、このように言った。

「比丘達よ、七月十五日に供養を受ける時、
施主の家の為に祈り、七世の祖先の為に祈り、
坐禅をして心を静めて、然る後に、頂きなさい。」

「比丘達よ、初めて御飯の供養を受ける時、
施主の家の為に祈り、七世の祖先の為に祈り、
霊前で祈願をしてから、然る後に、頂きなさい。」

それを聞いた、比丘達は、法悦に包まれて、
モッガラーナの涙も、完全に止ったのである。
そして、母親も、一劫続く餓鬼道から救われた。

 

第四章

モッガラーナは、仏陀に、このように尋ねた。

「尊師よ、わたしを、産んでくれた母親は、
比丘達の力により、三宝の恩恵を受けました。
将来の弟子達も、その恩恵を、受けられますか。」

仏陀は、モッガラーナに、このように答えた。

「モッガラーナよ、これは、良い質問である。
まさに、私が、言いたいことを、聞いてくれた。」

「善男子よ、七月十五日の、仏歓喜の日に、
誰でも、孝慈を行うなら、父母から先祖まで、
七代前に至るまで、供養の恩恵を受けるだろう。」

「父母も先祖も、三途の苦悩を出るだろう。
父母は寿命が延び、人間の苦悩が減るだろう。
先祖は七代に遡って、天人の福楽を得るだろう。」

「善男子よ、七月十五日の、僧自恣の日に、
盂蘭盆を用意して、仏や僧に供養をしなさい。
長く養ってもらった、父母の慈愛に報いなさい。」

これを聞いた、仏陀の弟子は、歓喜し実践した。


Page Top | My Library Home