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ヴァッチャ三明経(テーヴッジャヴァッチャ・スッタ)

仏教

ヴァッチャ族の遍歴行者に三明を説く



目次

第一章 |  第二章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、ヴェーサーリーの、
クーターガラなる講堂に、止まっておられた。
そこに、ヴァッチャが訪れ、このように尋ねた。

「世尊よ、仏陀は、すべてを見る者であり、
すべてを知る者であると、私は聞いています。
これは、正しい見解ですか、誤っていませんか。」

「ヴァッチャよ、その風聞は、誤っている。
仏陀や、三つの明知を、具えている者である。
これなら、正しい見解であり、誤まっていない。」

「遊行者よ、仏陀を証明する、三つの智慧。
仏陀が、具足している明知、三つの明がある。
それでは、この三つの明とは、如何なるものか。」

「第一の明とは、過去の智、宿命通である。
一、十、百、千の、過去世を思い出すことで、
如何なる業が、如何なる命を宿すか、証知する。」

「第二の明とは、未来の智、天眼通である。
一、十、百、千の、未来世を透し見ることで、
如何なる業が、如何なる生を課すか、証知する。」

「第三の明とは、現在の智、漏尽通である。
一、十、百、千の、漏煩悩を見て取ることで、
如何なる業が、如何なる漏を生むか、証知する。」

 

第二章

ヴァッチャは、仏陀に対し、このように尋ねた。

「ゴータマよ、仏陀の、在家の信者の中で、
在家の束縛を切らず、涅槃に赴く者が居るか。」
「在家に居て、涅槃に赴く者は、一人も居ない。」

「ゴータマよ、仏陀の、在家の信者の中で、
在家の束縛を切らず、天界に赴く者が居るか。」
「在家に居て、天界に赴く者は、五百を越える。」

「ゴータマよ、異教の、外道の信者の中で、
外道の束縛を切らず、涅槃に赴く者が居るか。」
「外道に居て、涅槃に赴く者は、一人も居ない。」

「ゴータマよ、異教の、外道の信者の中で、
外道の束縛を切らず、天界に赴く者が居るか。」
「外道に居て、天界に赴く者は、一人だけ居た。」

「ゴータマよ、それでは、その異教の法は、
天界に至るまでは、正しいと言えるのですか。」
「ヴァッチャよ、その法は、天界までは正しい。」

これを聞いた、ヴァッチャは、歓喜し実践した。


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