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蘊相応 第六十一章

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あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、ヴァンサ国にある、
コーサンビーの、ゴーシタ園に止まっていた。
そのとき、長老のケーマは、重病に臥していた。

長老ダーサカは、ケーマを見舞い、こう言った。

「友よ、仏陀は、五つの集まりを説かれた。
即ち、色と受と想と行と識の、集まりである。
これらの生の集積について、汝は、我と観るか。」

「確かに、我でもないし、我が物でもない。
しかし、私は、まだ、煩悩を滅尽していない。
それゆえ、まだ、我が物とも、言えるのである。」

「友よ、蘊について、我ではないと言えば、
また、蘊について、我であるとも言っている。
果して、これは、一体、どういうことだろうか。」

「例えば、蓮華の香りのようなものである。
香は、弁にある訳でも、茎にある訳でもない。
しかし、蓮華からは、香が漂って来るのである。」

「友よ、それは、つまり、こういうことか。
我は、色にある訳でも、受にある訳でもない。
しかし、五蘊からは、我が生じて来るのである。」

「ダーサカよ、実に、そういうことである。
わたしには、まだ、認め切れない何かあって、
仏陀の教えを、在りのまま観ることが出来ない。」

見とめないことを認めて、彼らは心解脱を得た。


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