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蘊相応 第六十章

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あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、ラージャグリハの、
カランダカニヴァーパに、止まっておられた。
そのとき、長老ヴァッカリは、病に臥していた。

ヴァッカリの侍者達が、仏陀に懇願すると、
見舞いに行くことに、仏陀は黙って承諾した。
そして、病床の彼を訪ねて、このように言った。

「ヴァッカリよ、苦しみに、耐えられるか。
苦しみは、増しているか、減ってきているか。」
「いえ、増すばかりで、減ることがありません。」

「ヴァッカリよ、気に掛かることはないか。」
「尊師よ、私の身体は、病で衰え切っており、
もはや、お会い出来ないことが、気掛かりです。」

「ヴァッカリよ、私の体を見る必要はない。
私が説き示す、法を学んで、戒を守りなさい。
法を見る者は私を見て、私を見る者は法を見る。」

「色は、常住であろうか、無常であろうか。
ヴァッカリよ、汝は、どのように見ているか。」
「尊師よ、色は無常であると、私は見ています。」

「受は、常住であろうか、無常であろうか。
ヴァッカリよ、汝は、どのように見ているか。」
「尊師よ、受は無常であると、私は見ています。」

「想は、常住であろうか、無常であろうか。
ヴァッカリよ、汝は、どのように見ているか。」
「尊師よ、想は無常であると、私は見ています。」

「行は、常住であろうか、無常であろうか。
ヴァッカリよ、汝は、どのように見ているか。」
「尊師よ、行は無常であると、私は見ています。」

「識は、常住であろうか、無常であろうか。
ヴァッカリよ、汝は、どのように見ているか。」
「尊師よ、識は無常であると、私は見ています。」

「このように、比丘達は、五蘊を厭離する。
厭離するなら離貪して、離貪すれば解脱する。
そして、解脱を果した者は、解脱智見に達する。」

『ああ、我が迷いの生涯は、既に終わった。
為すべきことを為して、清浄なる行を修めた。
もはや、私は、迷いの輪廻に嵌まることはない。』


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