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真人経(サップリサ・スッタ)

仏教

善なる人



目次

第一章 |  第二章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

「比丘達よ、出自に於いて、正邪が別れる。
邪な人は、己が選れていると、見ようとして、
聖なる人は、全て優れていると、見ようとする。」

「比丘達よ、地位に於いて、正邪が別れる。
邪な人は、他を低くして、自らを高めていき、
聖なる人は、自ら低くなり、周りを高めていく。」

「比丘達よ、所有に於いて、正邪が別れる。
邪な人は、物に囚われて、物に縛られていき、
聖なる人は、物に捕われず、他に巡らせていく。」

「比丘達よ、学識に於いて、正邪が別れる。
邪な人は、知に囚われて、智を減らしていき、
聖なる人は、知に捕われず、智を増やしていく。」

「比丘達よ、戒律に於いて、正邪が別れる。
邪な人は、戒に囚われて、愛を冷やしていき、
聖なる人は、戒に捕われず、愛を培かっていく。」

「比丘達よ、指導に於いて、正邪が別れる。
邪な人は、自ら犯となり、他を慣わせていき、
聖なる人は、自ら範となり、他を倣わせていく。」

「比丘達よ、修行に於いて、正邪が別れる。
邪な人は、形に囚われて、型を滅ぼしていき、
聖なる人は、形に捕われず、型を蘇らせていく。」

「比丘達よ、禅定に於いて、正邪が別れる。
邪な人は、禅に囚われて、念が嵌まっていき、
聖なる人は、禅に捕われず、念が定まっていく。」

 

第二章

「彼は、有尋有伺にして、離欲得楽である、
第一禅定を成就して、決して誇ることがない。
そして、如実に感じて、真実を観じるのである。」

「彼は、無尋無伺にして、離楽得喜である、
第二禅定を成就して、決して誇ることがない。
そして、如実に感じて、真実を観じるのである。」

「彼は、正念楽住にして、離喜得静である、
第三禅定を成就して、決して誇ることがない。
そして、如実に感じて、真実を観じるのである。」

「彼は、不苦不楽にして、離静入空である、
第四禅定を成就して、決して誇ることがない。
そして、如実に感じて、真実を観じるのである。」

「彼は、世は無限であり、空は無辺である、
空無辺処を成就して、決して誇ることがない。
そして、如実に感じて、真実を観じるのである。」

「彼は、心は無限であり、識は無辺である、
識無辺処を成就して、決して誇ることがない。
そして、如実に感じて、真実を観じるのである。」

「彼は、我も無ければ、我が物など無いと
無所有処を成就して、決して誇ることがない。
そして、如実に感じて、真実を観じるのである。」

「彼は、想でもなければ、非想でもないと、
非想非非想を成就し、決して誇ることがない。
そして、如実に感じて、真実を観じるのである。」

「彼は、想念も滅すれば、感受も滅すると、
想受滅を成就しても、決して誇ることがない。
そして、如実に感じて、真実を観じるのである。」

これを聞いた、諸々の比丘は、歓喜し実践した。


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