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正見経(サンマーディッティ・スッタ)

仏教



目次

第一章 |  第二章 |  第三章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
アナータピンディカ園に、止まっておられた。
サーリプッタは、比丘衆に対して、こう言った。

「比丘達よ、悪について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、十の不善がある。
それでは、この十の不善とは、如何なるものか。

第一の悪とは、不殺生の戒を、破ることである。
第二の悪とは、不偸盗の戒を、破ることである。
第三の悪とは、不邪淫の戒を、破ることである。
第四の悪とは、不妄語の戒を、破ることである。
第五の悪とは、不綺語の戒を、破ることである。
第六の悪とは、不悪口の戒を、破ることである。
第七の悪とは、不両舌の戒を、破ることである。
第八の悪とは、不慳貪の戒を、破ることである。
第九の悪とは、不瞋恚の戒を、破ることである。
第十の悪とは、不邪見の戒を、破ることである。」

「比丘達よ、不善の根を、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、不善の根がある。
それでは、この三つの根とは、如何なるものか。

第一の悪の根は、貪欲に塗れていることである。
第二の悪の根は、瞋恚に塗れていることである。
第三の悪の根は、愚痴に塗れていることである。」

「比丘達よ、善について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、十の不悪がある。
それでは、この十の不悪とは、如何なるものか。

第一の善とは、不殺生の戒を、守ることである。
第二の善とは、不偸盗の戒を、守ることである。
第三の善とは、不邪淫の戒を、守ることである。
第四の善とは、不妄語の戒を、守ることである。
第五の善とは、不綺語の戒を、守ることである。
第六の善とは、不悪口の戒を、守ることである。
第七の善とは、不両舌の戒を、守ることである。
第八の善とは、不慳貪の戒を、守ることである。
第九の善とは、不瞋恚の戒を、守ることである。
第十の善とは、不邪見の戒を、守ることである。」

「比丘達よ、不悪の根を、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、不悪の根がある。
それでは、この三つの根とは、如何なるものか。

第一の善の根は、貪欲を離れていることである。
第二の善の根は、瞋恚を離れていることである。
第三の善の根は、愚痴を離れていることである。」

 

第二章

「比丘達よ、食について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、四つの食がある。
それでは、この四つの食とは、如何なるものか。

第一の食は、物質を食べ物とする、段食である。
第二の食は、感覚を食べ物とする、触食である。
第三の食は、思考を食べ物とする、思食である。
第四の食は、識別を食べ物とする、識食である。」

「比丘達よ、諦について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、四つの諦がある。
それでは、この四つの諦とは、如何なるものか。

第一の諦は、全ては苦しみである、苦諦である。
第二の諦は、苦しみは必ず生じる、集諦である。
第三の諦は、苦しみは必ず滅する、滅諦である。
第四の諦は、苦を越える道がある、道諦である。」

「比丘達よ、苦について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、三つの苦がある。
それでは、この三つの苦とは、如何なるものか。

第一の苦は、楽の裏に苦が生じる、苦苦である。
第二の苦は、楽が続き楽が壊れる、壊苦である。
第三の苦は、楽を求め楽を得ない、行苦である。」

「比丘達よ、集について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、三つの集がある。
それでは、この三つの集とは、如何なるものか。

第一の集は、欲望を集める、欲望の生起である。
第二の集は、生存を集める、生存の生起である。
第三の集は、虚無を集める、虚無の生起である。」

「比丘達よ、滅について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、三つの滅がある。
それでは、この三つの滅とは、如何なるものか。

第一の滅は、欲望を滅する、欲望の滅尽である。
第二の滅は、生存を滅する、生存の滅尽である。
第三の滅は、虚無を滅する、虚無の滅尽である。」

「比丘達よ、道について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、八つの道がある。
それでは、この八つの道とは、如何なるものか。

第一の道は、正しい見解に基づく、正見である。
第二の道は、正しい思惟に基づく、正思である。
第三の道は、正しい言葉に基づく、正語である。
第四の道は、正しい行為に基づく、正業である。
第五の道は、正しい生活に基づく、正命である。
第六の道は、正しい精進に基づく、正進である。
第七の道は、正しい集中に基づく、正念である。
第八の道は、正しい禅定に基づく、正定である。」

 

第三章

「比丘達よ、生について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、三つの生がある。
それでは、この三つの生とは、如何なるものか。

第一の生は、生まれると必ず老いる、老である。
第二の生は、生まれると必ず病める、病である。
第三の生は、生まれると必ず滅する、死である。」

「比丘達よ、有について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、三つの有がある。
それでは、この三つの有とは、如何なるものか。

第一の有は、欲界に存在すること、欲有である。
第二の有は、色界に存在すること、色有である。
第三の有は、無色界に存在する、無色有である。」

「比丘達よ、取について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、四つの取がある。
それでは、この四つの取とは、如何なるものか。

第一の取は、欲望に執着すること、欲取である。
第二の取は、見解に執着すること、見取である。
第三の取は、戒誓に執着すること、戒取である。
第四の取は、自説に執着すること、我取である。」

「比丘達よ、愛について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、六つの愛がある。
それでは、この六つの愛とは、如何なるものか。

第一の愛は、色境に愛着すること、色愛である。
第二の愛は、声境に愛着すること、声愛である。
第三の愛は、香境に愛着すること、香愛である。
第四の愛は、味境に愛着すること、味愛である。
第五の愛は、触境に愛着すること、触愛である。
第六の愛は、法境に愛着すること、法愛である。」

「比丘達よ、受について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、六つの受がある。
それでは、この六つの受とは、如何なるものか。

第一の受は、色愛を感受すること、眼根である。
第二の受は、声愛を感受すること、耳根である。
第三の受は、香愛を感受すること、鼻根である。
第四の受は、味愛を感受すること、舌根である。
第五の受は、触愛を感受すること、身根である。
第六の受は、法愛を感受すること、意根である。」

「比丘達よ、触について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、六つの触がある。
それでは、この六つの触とは、如何なるものか。

第一の触は、眼根に接触すること、視覚である。
第二の触は、耳根に接触すること、聴覚である。
第三の触は、鼻根に接触すること、嗅覚である。
第四の触は、舌根に接触すること、味覚である。
第五の触は、身根に接触すること、触覚である。
第六の触は、意根に接触すること、法覚である。」

「比丘達よ、処について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、六つの処がある。
それでは、この六つの処とは、如何なるものか。

第一の処は、視覚を認識する器官、眼処である。
第二の処は、聴覚を認識する器官、耳処である。
第三の処は、嗅覚を認識する器官、鼻処である。
第四の処は、味覚を認識する器官、舌処である。
第五の処は、触覚を認識する器官、身処である。
第六の処は、法覚を認識する器官、意処である。」

「比丘達よ、物について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、二つの物がある。
それでは、この二つの物とは、如何なるものか。

第一の物は、精神という対象である、名である。
第二の物は、物質という対象である、色である。」

「比丘達よ、識について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、六つの識がある。
それでは、この六つの識とは、如何なるものか。

第一の識は、眼処を識別すること、眼識である。
第二の識は、耳処を識別すること、耳識である。
第三の識は、鼻処を識別すること、鼻識である。
第四の識は、舌処を識別すること、舌識である。
第五の識は、身処を識別すること、身識である。
第六の識は、意処を識別すること、意識である。」

「比丘達よ、行について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、三つの行がある。
それでは、この三つの行とは、如何なるものか。

第一の行は、身を以って行うこと、身行である。
第二の行は、口を以って行うこと、語行である。
第三の行は、意を以って行うこと、心行である。」

「比丘達よ、闇について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、無明の闇がある。
それでは、この四つの闇とは、如何なるものか。

第一の闇は、苦諦を知らず、煩悩を漏らすこと。
第二の闇は、集諦を知らず、煩悩を漏らすこと。
第三の闇は、滅諦を知らず、煩悩を漏らすこと。
第四の闇は、道諦を知らず、煩悩を漏らすこと。」

「比丘達よ、漏について、正しく見ること。
比丘が、正しく認めるべき、三つの漏がある。
それでは、この三つの漏とは、如何なるものか。

第一の漏は、欲望から漏れている、欲漏である。
第二の漏は、生存から漏れている、有漏である。
第三の漏は、無明により漏れる、無明漏である。」

これを聞いた、諸々の比丘は、歓喜し実践した。


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