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因縁相応 第四十一章

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あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

「比丘達よ、生きとし生ける者を養うもの。
生き物を養い、生を繋げる、四つの食がある。
それでは、この四つの食とは、如何なるものか。

第一の食は、物質を食べ物とする、段食である。
第二の食は、感覚を食べ物とする、触食である。
第三の食は、思考を食べ物とする、思食である。
第四の食は、識別を食べ物とする、識食である。」

「比丘達よ、ここで、段食について考える。
たとえば、荒野を進む、親子が居たとしよう。
その道の途中で、彼らの食物が尽きてしまった。」

「泣く泣く両親は、子を食べて旅を続けた。
比丘達よ、この話を、汝らは、どう思うのか。
果して、彼らは、楽のために食べたのだろうか。」

「いいえ、尊師よ、泣く泣く食べたのです。
楽を食べ続けたため、食べずには居られない、
自らの業を嘆きながら、苦しみを食べたのです。」

「比丘達よ、ここで、触食について考える。
たとえば、皮が裂けた、雄牛が居たとしよう。
傷が膿んで、蛆が湧いて、肉を食い尽している。」

「泣く泣く雄牛は、傷口を壁に擦り付けた。
比丘達よ、この話を、汝らは、どう思うのか。
果して、雄牛は、楽のために触れたのだろうか。」

「いいえ、尊師よ、泣く泣く触れたのです。
楽を感じ続けたため、苦を感じず居られない、
自らの業を嘆きながら、苦しみに触れたのです。」

「比丘達よ、ここで、思食について考える。
たとえば、地獄に苛む、罪人が居たとしよう。
地獄を出ようと手にした、糸が切れてしまった。」

「泣く泣く罪人は、我が不運を天に呪った。
比丘達よ、この話を、汝らは、どう思うのか。
果して、罪人は、楽のために願ったのだろうか。」

「いいえ、尊師よ、泣く泣く呪ったのです。
楽を願い続けたため、苦を願わず居られない、
自らの業を嘆きながら、苦しみを思ったのです。」

「比丘達よ、ここで、識食について考える。
たとえば、刑を受ける、盗賊が居たとしよう。
激しく鞭を打たれる度に、激しい痛みを味わう。」

「泣く泣く盗賊は、盗んだことを後悔する。
比丘達よ、この話を、汝らは、どう思うのか。
果して、罪人は、楽のために悔いたのだろうか。」

「いいえ、尊師よ、泣く泣く悔いたのです。
楽を分け続けたため、苦も分けず居られない、
自らの業を嘆きながら、苦しみを悔いたのです。」

「こうして、識を知るならば、名色を知る。
比丘達よ、名色を良く知る、聖なる弟子達は、
もはや、為すべきことがないと、説くのである。」


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