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因縁相応 第三十二章

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あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

「比丘達よ、生が生じると、老死が生じて、
裏に返すなら、生が滅すると、老死が滅する。
比丘たる者、このように考えて、死を滅尽せよ。」

「比丘達よ、有が生じると、出生が生じて、
裏に返すなら、有が滅すると、出生が滅する。
比丘たる者、このように考えて、生を滅尽せよ。」

「比丘達よ、取が生じると、存在が生じて、
裏に返すなら、取が滅すると、存在が滅する。
比丘たる者、このように考えて、有を滅尽せよ。」

「比丘達よ、愛が生じると、取著が生じて、
裏に返すなら、愛が滅すると、取著が滅する。
比丘たる者、このように考えて、取を滅尽せよ。」

「比丘達よ、受が生じると、渇愛が生じて、
裏に返すなら、受が滅すると、渇愛が滅する。
比丘たる者、このように考えて、愛を滅尽せよ。」

「比丘達よ、触が生じると、感受が生じて、
裏に返すなら、触が滅すると、感受が滅する。
比丘たる者、このように考えて、受を滅尽せよ。」

「比丘達よ、処が生じると、接触が生じて、
裏に返すなら、処が滅すると、接触が滅する。
比丘たる者、このように考えて、触を滅尽せよ。」

「比丘達よ、蘊が生じると、六処が生じて、
裏に返すなら、蘊が滅すると、六処が滅する。
比丘たる者、このように考えて、処を滅尽せよ。」

「比丘達よ、識が生じると、名色が生じて、
裏に返すなら、識が滅すると、名色が滅する。
比丘たる者、このように考えて、蘊を滅尽せよ。」

「比丘達よ、行が生じると、識別が生じて、
裏に返すなら、行が滅すると、識別が滅する。
比丘たる者、このように考えて、識を滅尽せよ。」

「比丘達よ、無明が生じて、意志が生じて、
裏に返すなら、無明が滅して、意志が滅する。
比丘たる者、このように考えて、行を滅尽せよ。」

「比丘達よ、もし、無明に覆われたならば、
善行を求めれば、自ずから識は善行に向かい、
悪行を求めるなら、自ずから識が悪行に向かう。」

「比丘達よ、もし、無明が祓われたならば、
彼は、無智を越えて、智慧を具えられたため、
もはや、善行ならざることを、行おうとしない。」

「こうして、彼は、何も為したいと思わず、
何も囚われることなく、何も悩むことがない。
そして、満たされて、このように思うのである。」

『ああ、我が迷いの生涯は、既に終わった。
為すべきことを為して、清浄なる行を修めた。
もはや、私は、迷いの輪廻に嵌まることはない。』

「彼は、たとえ、楽しいと感じたとしても、
その楽が、いずれ、苦に変わることを見とめ、
囚われるべきものではないことを、知っている。」

「彼は、たとえ、苦しいと感じたとしても、
その苦が、いずれ、楽に変わることを見とめ、
囚われるべきものではないことを、知っている。」

「例えば、焼き立ての壷を地に置くように、
熱いうちは、まだ、暖かいと感じるのであり、
冷たくなれば、もう、冷たいと感じるのである。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、痴がないのに、行があるだろうか。
「いえ、無明がないところ、意志はありません。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、行がないのに、識があるだろうか。
「いえ、意志がないところ、識別はありません。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、識がないのに、蘊があるだろうか。
「いえ、識別がないところ、名色はありません。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、蘊がないのに、処があるだろうか。
「いえ、名色がないところ、六処はありません。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、処がないのに、受があるだろうか。
「いえ、六処がないところ、感受はありません。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、受がないのに、愛があるだろうか。
「いえ、感受がないところ、愛著はありません。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、愛がないのに、取があるだろうか。
「いえ、愛著がないところ、取著はありません。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、取がないのに、有があるだろうか。
「いえ、取著がないところ、存在はありません。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、有がないのに、生があるだろうか。
「いえ、存在がないところ、出生はありません。」

「比丘達よ、この事を、どう思うだろうか。
果たして、生がないのに、死があるだろうか。
「いえ、出生がないところ、老死はありません。」

「比丘達よ、実に、汝らの言う通りである。
私が説く法を信じて、決して疑うことなかれ。
この教えこそは、苦の終わりを為すものである。」


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