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大天櫞林経(マカーデーヴァ・スッタ)

仏教

善い伝統の相続と断絶



目次

第一章 |  第二章 |  第三章 |  第四章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、ミティラーにある、
マカーデーヴァのマンゴー林で、微笑された。
それを見た、アーナンダは、このように尋ねた。

「尊師よ、どうして、微笑まれたのですか。
覚者が、原因なく、微笑む事はありますまい。
ここで微笑んだのは、何か理由があるはずです。」

仏陀は、長老アーナンダに、このように答えた。

「その昔、まさしく、ミティラーに於いて、
マカーデーヴァという、偉大な王が存在した。
正法により国を治め、布薩の教えを守っていた。」

「比丘達よ、あるとき、このように言った。
『臣下よ、我が髪に、白いものが混じったら、
すぐに教えなさい、私は、隠遁を決めるだろう。』

「それから、数千年後、その臣下は言った。
『大王よ、王の頭に、白い髪が生えています。
神々の使いとして、黒に白が映えてきています。』

「その報告を聞くと、大王は息子に言った。
『王子よ、髪と髭を剃って、私は出家をする。
お前は、わたしの代って、天下を治めるが良い。』

「彼は、彼の息子に、王位について教えて、
黄褐色の衣を着て、家のない生活に出家した。
そして、四つ無量心を修め、梵天界に転生した。」

「彼は、八万四千年の間、王子として戯れ。
十六万八千年の間、副王や国王として務めて、
八万四千年の間、出家して法を修めたのである。」

 

第二章

「次の王は、あるとき、このように言った。
『臣下よ、我が髪に、白いものが混じったら、
すぐに教えなさい、私は、隠遁を決めるだろう。』

「それから、数千年後、その臣下は言った。
『大王よ、王の頭に、白い髪が生えています。
神々の使いとして、黒に白が映えてきています。』

「その報告を聞くと、大王は息子に言った。
『王子よ、髪と髭を剃って、私は出家をする。
お前は、わたしの代って、天下を治めるが良い。』

「彼は、彼の息子に、王位について教えて、
黄褐色の衣を着て、家のない生活に出家した。
そして、四つ無量心を修め、梵天界に転生した。」

「彼は、八万四千年の間、王子として戯れ。
十六万八千年の間、副王や国王として務めて、
八万四千年の間、出家して法を修めたのである。」

「次の王は、あるとき、このように言った。
『臣下よ、我が髪に、白いものが混じったら、
すぐに教えなさい、私は、隠遁を決めるだろう。』

「それから、数千年後、その臣下は言った。
『大王よ、王の頭に、白い髪が生えています。
神々の使いとして、黒に白が映えてきています。』

「その報告を聞くと、大王は息子に言った。
『王子よ、髪と髭を剃って、私は出家をする。
お前は、わたしの代って、天下を治めるが良い。』

「彼は、彼の息子に、王位について教えて、
黄褐色の衣を着て、家のない生活に出家した。
そして、四つ無量心を修め、梵天界に転生した。」

「彼は、八万四千年の間、王子として戯れ。
十六万八千年の間、副王や国王として務めて、
八万四千年の間、出家して法を修めたのである。」

 

第三章

「この聖王の系統は、ニミで最後となった。
彼の正しい統治は、天の神々にも称賛された。
帝釈天が、天界に招待し、歓待するほどだった。」

「ニミ王は、あるとき、このように言った。
『臣下よ、我が髪に、白いものが混じったら、
すぐに教えなさい、私は、隠遁を決めるだろう。』

「それから、数千年後、その臣下は言った。
『大王よ、王の頭に、白い髪が生えています。
神々の使いとして、黒に白が映えてきています。』

「その報告を聞くと、大王は息子に言った。
『王子よ、髪と髭を剃って、私は出家をする。
お前は、わたしの代って、天下を治めるが良い。』

「彼は、彼の息子に、王位について教えて、
黄褐色の衣を着て、家のない生活に出家した。
そして、四つ無量心を修め、梵天界に転生した。」

「彼は、八万四千年の間、王子として戯れ。
十六万八千年の間、副王や国王として務めて、
八万四千年の間、出家して法を修めたのである。」

「彼の息子は、カラーラジャナカと言った。
彼は、最後の最期まで、出家しなかったため、
ここで、この聖なる系統は、断絶してしまった。」

 

第四章

「マカーデーヴァは、実に、わたしだった。
現在の私が説く教えは、人々を涅槃に導くが、
過去の私が説いた教えは、人々を梵天に誘った。」

「すなわち、梵天界を越える、真理の教え。
人々を、涅槃に至らせる法、八つの道がある。
それでは、この八つの道とは、如何なるものか。

第一の道は、正しい見解に基づく、正見である。
第二の道は、正しい思惟に基づく、正思である。
第三の道は、正しい言葉に基づく、正語である。
第四の道は、正しい行為に基づく、正業である。
第五の道は、正しい生活に基づく、正命である。
第六の道は、正しい精進に基づく、正進である。
第七の道は、正しい集中に基づく、正念である。
第八の道は、正しい禅定に基づく、正定である。」

「これが、私が解き、私が説いた道である。
アーナンダよ、決して、捻じ曲げ断ち切るな。
私が進んだよう、自らも進み、他の者に勧めよ。」

これを聞いた、アーナンダは、歓喜し実践した。


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