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摩偸羅経(マドゥラー・スッタ)

仏教

階級の平等



目次

第一章 |  第二章 |  第三章 |  第四章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

マハーカッチャーナは、マドゥラーにある、
グンダーという林の中に、止まっておられた。
そこに、アヴァンティプッタが訪れて、言った。

「尊者よ、世間に於いて、バラモンだけが、
ブラフマー神の子であると、言われています。
これについて、あなたは、どう考えていますか。」

「大王よ、その教えは、迷信に過ぎません。
バラモンであろうと、シュードラであろうと、
権力や財宝により、人々は動かされるものです。」

「大王よ、シュードラが、力を持って治め、
財宝を以って収めたら、どうなるでしょうか。
人々は、彼のことを、新しい王と認めませんか。」

「尊者よ、シュードラが、力を持って治め、
財宝を以って収めたら、このようになります。
人々は、彼のことを、新しい王と認めましょう。」

「大王よ、たとえ、バラモンであろうとも、
十の悪行を犯すならば、どうなるでしょうか。
人々は、彼のことを、悪であると認めませんか。」

「尊者よ、たとえ、バラモンであろうとも、
十の悪行を犯すならば、このようになります。
人々は、彼のことを、悪であると認めましょう。」

「大王よ、たとえ、シュードラであろうと、
十の善行を為すならば、どうなるでしょうか。
人々は、彼のことを、善であると認めませんか。」

「尊者よ、たとえ、シュードラであろうと、
十の善行を為すならば、このようになります。
人々は、彼のことを、善であると認めましょう。」

 

第二章

「大王よ、たとえ、祭司階級であろうとも、
罪を犯した者は、罰を受けなければならない。
これについて、あなたは、どう考えていますか。」

「尊者よ、たとえ、祭司階級であろうとも、
罪を犯した者は、罰を受けなければならない。
これについて、わたしも、等しく考えています。」

「大王よ、たとえ、王族階級であろうとも、
罪を犯した者は、罰を受けなければならない。
これについて、あなたは、どう考えていますか。」

「尊者よ、たとえ、王族階級であろうとも、
罪を犯した者は、罰を受けなければならない。
これについて、わたしも、等しく考えています。」

「大王よ、たとえ、平民階級であろうとも、
罪を犯した者は、罰を受けなければならない。
これについて、あなたは、どう考えていますか。」

「尊者よ、たとえ、平民階級であろうとも、
罪を犯した者は、罰を受けなければならない。
これについて、わたしも、等しく考えています。」

「大王よ、たとえ、奴隷階級であろうとも、
罪を犯した者は、罰を受けなければならない。
これについて、あなたは、どう考えていますか。」

「尊者よ、たとえ、奴隷階級であろうとも、
罪を犯した者は、罰を受けなければならない。
これについて、わたしも、等しく考えています。」

 

第三章

「大王よ、たとえ、祭司階級であろうとも、
家を出てしまうなら、身分が問われなくなる。
これについて、あなたは、どう考えていますか。」

「尊者よ、たとえ、祭司階級であろうとも、
家を出てしまうなら、身分が問われなくなる。
これについて、わたしも、等しく考えています。」

「大王よ、たとえ、王族階級であろうとも、
家を出てしまうなら、身分が問われなくなる。
これについて、あなたは、どう考えていますか。」

「尊者よ、たとえ、王族階級であろうとも、
家を出てしまうなら、身分が問われなくなる。
これについて、わたしも、等しく考えています。」

「大王よ、たとえ、平民階級であろうとも、
家を出てしまうなら、身分が問われなくなる。
これについて、あなたは、どう考えていますか。」

「尊者よ、たとえ、平民階級であろうとも、
家を出てしまうなら、身分が問われなくなる。
これについて、わたしも、等しく考えています。」

「大王よ、たとえ、奴隷階級であろうとも、
家を出てしまうなら、身分が問われなくなる。
これについて、あなたは、どう考えていますか。」

「尊者よ、たとえ、奴隷階級であろうとも、
家を出てしまうなら、身分が問われなくなる。
これについて、わたしも、等しく考えています。」

 

第四章

法悦が湧き上がった、彼は、このように言った。

「ああ、これは、とても、妙なる教えです。
さながら、暗闇の中で、灯火を掲げるように、
尊者は、私の見えない目に、見せてくれました。」

「尊者よ、これより、この命が尽きるまで、
私は、心から、仏と法と僧に帰依し奉ります。
三宝の帰依者として、どうか受け容れて下さい。」

「大王よ、わたしに、帰依しないで下さい。
私の帰依する、仏陀に対して帰依して下さい。
涅槃に居られる、永遠の師、仏陀に帰依なさい。」

法悦が湧き上がった、彼は、このように言った。

「ああ、これは、とても、妙なる教えです。
さながら、暗闇の中で、灯火を掲げるように、
仏陀は、私の見えない目に、見せてくれました。」

「仏陀よ、これより、この命が尽きるまで、
私は、心から、仏と法と僧に帰依し奉ります。
三宝の帰依者として、どうか受け容れて下さい。」


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