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法嗣経(ダンマダーヤーダ・スッタ)

仏教



目次

第一章 |  第二章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

「比丘達よ、比丘達は、法の相続者であれ。
法を語るべきであり、業を騙ってはならない。
理を求めるべきであり、利を望んではならない。」

「比丘達よ、汝らが、法を相続しなければ、
私は法を業で歪めたと、非難を享けるだろう。
汝らは理を利で曲げたと、批難を受けるだろう。」

「比丘達よ、汝らが、法を相続するならば、
私は業を法で超えたと、賞賛を享けるだろう、
汝らは利を理で越えたと、称賛を受けるだろう。」

「比丘達よ、汝らが、私から相続した法を、
他に与えるなら、法は、将に法となるだろう。
他に与えないなら、法は、後に業となるだろう。」

「比丘達よ、汝らが、私から相続した理を、
他に与えるなら、理は、将に利となるだろう。
他に与えないなら、理は、後に害となるだろう。」

「比丘達よ、慈悲を以って、汝らに説こう。
比丘達よ、仏陀が説いた、法の相続者であれ。
法を継ぐべきであって、利を継いではならない。」

 

第二章

仏陀が説き終わり、座を立たれて、すぐに、
仏の法を継ぐ者である、長老サーリプッタが、
仏陀に代わって、比丘衆に、このように説いた。

「比丘達よ、法と業の違いは、何だろうか。
ダルマは、出離に向かうための、因果であり、
カルマとは、煩悩に向かうための、因果である。」

「比丘達よ、汝らが、出離に向わなければ、
私は仏の法を歪めたと、非難を享けるだろう。
汝らは法を業で曲げたと、批難を受けるだろう。」

「比丘達よ、汝らが、出離に向かうならば、
私は仏の法を継いだと、賞賛を享けるだろう。
汝らは業を法で越えたと、称賛を受けるだろう。」

「比丘達よ、理と利の違いは、何だろうか。
ダルマは、菩提に向かうための、欲求であり、
アルタとは、煩悩に向かうための、欲求である。」

「比丘達よ、汝らが、菩提に向わなければ、
私は仏の理を歪めたと、非難を享けるだろう。
汝らは理を利で曲げたと、批難を受けるだろう。」

「比丘達よ、汝らが、菩提に向かうならば、
私は仏の理を継いだと、賞賛を享けるだろう。
汝らは利を理で越えたと、称賛を受けるだろう。」

「比丘達よ、慈悲を以って、汝らに説こう。
比丘達よ、仏陀が説いた、法の相続者であれ。
法を継ぐべきであって、利を継いではならない。」

「比丘達よ、慈悲を以って、汝らに説こう。
比丘達よ、仏陀が説いた、法の相続者であれ。
仏陀が説かれた法とは、八つの正しい道である。

第一に、真理に基き、見解を正す、正見である。
第二に、正見に基き、思索を正す、正思である。
第三に、正思に基き、発言を正す、正語である。
第四に、正語に基き、行為を正す、正業である。
第五に、正業に基き、生活を正す、正命である。
第六に、正命に基き、精進を正す、正進である。
第七に、正進に基き、集中を正す、正念である。
第八に、正念に基き、合一を正す、正定である。」

「比丘達よ、この正道を以って、出離せよ。
貪瞋痴の、煩悩を諦らめて、菩提を明らめよ。
慢心を捨断し、嫉妬を厭離し、仏法を実践せよ。」

これを聞いた、諸々の比丘は、歓喜し実践した。


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