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法尊重経(ダンマアセッティヤ・スッタ)

仏教

世尊も八十歳、王も八十歳



第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、釈迦族の町である、
メーダルンパという町に、止まっておられた。
パセーナディ王が訪れると、このように言った。

「世尊よ、私は、あなたに、信があります。
修めたものを、行おうとする、信があります。
あなたによって、真理の教えが、解かれました。」

「十年、二十年、三十年、四十年に渡って、
私は、梵行を修める、比丘衆を見て来ました。
彼らは、死ぬ間際まで、良く法を学んでいます。」

「世間というものは、憎み合うものですが、
私は、比丘が争うのを、見た事がありません。
彼らは、互いに助け合い、互いに励み合います。」

「法を認める者は、目に認め易い姿となり、
法を見とめない者は、目に認め難い姿となる。
仏陀の弟子は、美しく、在りのままに自然です。」

「教えを聞く、比丘の姿は、実に静かです。
鼻をすする音も、咳をする音も聞こえません。
彼らは、一言も漏らすまいと、教えを求めます。」

「自らの賢を負う者が、論争を挑みますが、
仏陀は、彼らに、論で答えて、心で応えます。
それゆえ、頭で従うのみか、心から遵うのです。」

「あなたも、わたしも、王族の生まれです。
あなたも、わたしも、今年で八十になります。
世尊に対し、五体を投地して、帰依を示します。」

このように言うと、王は、座から立ち上り、
五体を投地して、帰依を示して、立ち去った。
彼が帰った後、仏陀は、比丘衆に対して言った。

「偉大なる王は、仏に対する帰依を示した。
比丘衆よ、汝らも、法に対する信心を深めよ。
帰依は、梵行の最初であり、梵行の最後である。」


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