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空小経(チューラスンヤ・スッタ)

仏教

空についての短い経



目次

第一章 |  第二章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ミガーラマーター講堂に、止まっておられた。
そこに、アーナンダが訪れ、このように言った。

「尊師よ、以前、ナガラカの町を訪れた時、
仏陀は、空に止まっていると、説かれました。
これについて、更に詳しく、教えて頂けますか。」

「アーナンダよ、昔にしても、今にしても、
確かに、わたしは、空の境地に止まっている。
アーナンダよ、汝に、空について、私は説こう。」

「たとえば、己の心を、天空に広げて行く。
そのとき、山が消え、川が消え、森が消えて、
次第に、心が空っぽになり、観念が消えていく。」

「そして、いよいよ、心が天と合一すると、
そのときは、心の中に、天の観念だけがあり、
それ以外について、あらゆる観念が、空になる。」

「たとえば、己の心を、大地に広げて行く。
そのとき、山が消え、川が消え、森が消えて、
次第に、心が空っぽになり、観念が消えていく。」

「そして、いよいよ、心が地と合一すると、
そのときは、心の中に、地の観念だけがあり、
それ以外について、あらゆる観念が、空になる。」

「すなわち、己の心を、Aに広げて行くと、
そのとき、Bが消え、Cが消え、Dが消えて、
次第に、心が空っぽになり、非Aが消えていく。」

「そして、いよいよ、心がAと合一すると、
そのときは、心の中に、Aの観念だけがあり、
非Aが消えて、Aも消えて、すべてが空になる。」

 

第二章

「たとえば、己の心を、空無辺処に広げる。
そのとき、山が消え、川が消え、森が消えて、
次第に、心が空っぽになり、観念が消えていく。」

「そして、いよいよ、空無辺処に達すると、
そのときは、空無辺処、その観念だけがあり、
それ以外について、あらゆる観念が、空になる。」

「たとえば、己の心を、識無辺処に広げる。
そのとき、山が消え、川が消え、森が消えて、
次第に、心が空っぽになり、観念が消えていく。」

「そして、いよいよ、識無辺処に達すると、
そのときは、識無辺処、その観念だけがあり、
それ以外について、あらゆる観念が、空になる。」

「たとえば、己の心を、無所有処に広げる。
そのとき、山が消え、川が消え、森が消えて、
次第に、心が空っぽになり、観念が消えていく。」

「そして、いよいよ、無所有処に達すると、
そのときは、無所有処、その観念だけがあり、
それ以外について、あらゆる観念が、空になる。」

「たとえば、心を、非想非非想処に広げる。
そのとき、山が消え、川が消え、森が消えて、
次第に、心が空っぽになり、観念が消えていく。」

「そして、いよいよ、非想非非想処に至り、
そのときは、非想非非想処の観念だけがあり、
それ以外について、あらゆる観念が、空になる。」

「たとえば、己の心が、無相心三昧に至る。
そのとき、山が消え、川が消え、森が消えて、
次第に、心が空っぽになり、観念が消えていく。」

「そして、いよいよ、心が空と合一すると、
そのときは、心の中に、空の観念だけがあり、
観念が消えて、空も消えて、すべてが空になる。」

これを聞いた、アーナンダは、歓喜し実践した。


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