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放牛小経(チューラゴーパーラカ・スッタ)

仏教



第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、ガンジス河の近く、
ヴァッジ族の国、ウッカーチェーラに於いて、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

「比丘達よ、ここに、暗愚な牛飼いが居る。
彼は、水が溢れている、河を渡らせたために、
彼の手で導かれたものは、全て溺れてしまった。」

「比丘達よ、ここに、暗愚な婆羅門が居る。
彼は、利で歪められた、理に従わせたために、
彼の手で導かれたものは、悉く落ちてしまった。」

「比丘達よ、ここに、賢明な牛飼いが居る。
彼は、水が溢れてない、河を渡らせたために、
彼の手に導かれたものは、総べて溺れなかった。

第一に、彼は、力の強い牛を、選んで渡らせた。
第二に、彼は、力の弱い牛を、選んで渡らせた。
第三に、彼は、か弱い牝牛を、選んで渡らせた。
第四に、彼は、か弱い子牛を、選んで渡らせた。」

「比丘達よ、ここに、賢明な婆羅門が居る。
彼は、理に従がわせて、利を得させたために、
彼の手に導かれたものは、統べて落ちなかった。

第一に、彼岸まで到達した者、阿羅漢を導いた。
第二に、五下分結を滅した者、不還者を導いた。
第三に、貪瞋痴を滅尽した者、一来者を導いた。
第四に、真理の流れに預る者、預流者を導いた。」

「私は、此岸に就いても、彼岸に就いても、
良く明らめた者であり、良く諦めた者である。
私は、等正覚であり、善逝であり、仏陀である。」

「さながら、子牛が、母の声を探すように、
汝らを彼岸に導く、正しき導師の教えを聞け。
まさに、この教えを聞く者は、涅槃に導かれる。」

これを聞いた、諸々の比丘は、歓喜し実践した。


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