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薄拘羅経(バックラ・スッタ)

仏教

八十年間厳しい修行をつづけたバックラ



目次

第一章 |  第二章 |  第三章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

時に、バックラ長老は、ラージャグリハの、
カランダカニヴァーパに、止まっておられた。
そこに、カッサパが訪れて、このように尋ねた。

「友よ、君は、出家してから、何年になる。」
「友よ、私が、出家してから、八十年になる。」
「友よ、君は、この八十年の間、何を守ったか。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、欲情を抱いたことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、害心を抱いたことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、貪欲を抱いたことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、衣服を飾ったことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、衣服を切ったことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、衣服を繕ったことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、衣服を染めたことがない。」

 

第二章

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、招待を受けたことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、屋内で座ったことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、屋内で食べたことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、異性を眺めたことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、異性と話したことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、異性に酔ったことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、弟子を取ったことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、世話を受けたことがない。」

 

第三章

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、風呂で寛いだことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、石鹸で洗ったことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、病気に罹ったことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、薬品を飲んだことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、椅子に座ったことがない。」

「我が古き友人、アチェーラ、カッサパよ。
私は、この八十年、修行に励み、戒律を守り、
ただの一度たりとも、臥具を敷いたことがない。」

「カッサパよ、私は、出家して、七日目に、
早々と、解脱を果たし、智慧を得たのである。」
「それは、妙なることだ、実に、稀なることだ。」

こうして、カッサパは、バックラに導かれ、
彼から、戒と律を受けて、出家したのである。
間もなく、カッサパは、阿羅漢の一人となった。

それから、しばらくして、バックラ長老は、
他の比丘に、完全なる涅槃を、宣言してから、
その日の内に、座ったまま、見守られ涅槃した。


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