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外套経(バーヒティカー・スッタ)

仏教

パセーナディ王の外套の布施



目次

第一章 |  第二章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
アナータピンディカ園に、止まっておられた。
アーナンダは、サーヴァッティに托鉢に赴いた。

パセーナディ王は、アーナンダを見つけて、
シリヴァッタ大臣に、その確認を取らせた後、
近づいて恭しく挨拶すると、このように尋ねた。

「尊者よ、非難されるべき、身の行いとは、
批難されるべき、身の業とは、何でしょうか。」
「大王よ、非難すべき業は、悪い身の行いかと。」

「それでは、悪い身の行いとは、何ですか。」
「憂いがあるが為に、苦しみに導かれるもの。
他を苦しめる為に、自らが悩まされるものかと。」

「尊者よ、非難されるべき、口の行いとは、
批難されるべき、口の業とは、何でしょうか。」
「大王よ、非難すべき業は、悪い口の行いかと。」

「それでは、悪い口の行いとは、何ですか。」
「憂いがあるが為に、苦しみに導かれるもの。
他を苦しめる為に、自らが悩まされるものかと。」

「尊者よ、非難されるべき、意の行いとは、
批難されるべき、意の業とは、何でしょうか。」
「大王よ、非難すべき業は、悪い意の行いかと。」

「それでは、悪い意の行いとは、何ですか。」
「憂いがあるが為に、苦しみに導かれるもの。
他を苦しめる為に、自らが悩まされるものかと。」

「尊者よ、即ち、世尊は、身口意に於いて、
悪の業を重ねることを、非難されるのですか。」
「大王よ、然り、世尊は、悪の教えを非難する。」

 

第二章

「尊者よ、称賛されるべき、身の行いとは、
賞賛されるべき、身の業とは、何でしょうか。」
「大王よ、称賛すべき業は、善い身の行いかと。」

「それでは、善い身の行いとは、何ですか。」
「喜びがあるが為に、楽しみに導かれるもの。
他を楽しめる為に、自らを愉しませるものかと。」

「尊者よ、称賛されるべき、口の行いとは、
賞賛されるべき、口の業とは、何でしょうか。」
「大王よ、称賛すべき業は、善い口の行いかと。」

「それでは、善い口の行いとは、何ですか。」
「喜びがあるが為に、楽しみに導かれるもの。
他を楽しめる為に、自らを愉しませるものかと。」

「尊者よ、称賛されるべき、意の行いとは、
賞賛されるべき、意の業とは、何でしょうか。」
「大王よ、称賛すべき業は、善い意の行いかと。」

「それでは、善い意の行いとは、何ですか。」
「喜びがあるが為に、楽しみに導かれるもの。
他を楽しめる為に、自らを愉しませるものかと。」

「尊者よ、即ち、世尊は、身口意に於いて、
善の業を重ねることを、称賛されるのですか。」
「大王よ、然り、世尊は、善の教えを称賛する。」

法悦が湧き上がった、王は、このように言った。

「実に、妙なることです、稀なることです。
この素晴らしい教えの、感謝の気持ちとして、
どうか、この外套を、布施として受けて下さい。」

足りていると断ると、王は、このように言った。

「大きな河の水が、小さな川に流れるよう、
これを受け取り、今の物は他に与えて下さい。
大きな河から、先ず、水が与えられるものです。」

アーナンダは、黙って、これを受け取った。
そして、帰ってから、これを仏陀に供養した。
この話と共に、布施を受けて、仏陀は喜ばれた。


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