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現観相応(アビサマヤ・サンユッタ)

仏教



目次

第一章 |  第二章 |  第三章 |  第四章 |  第五章 |  第六章

 

第一章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

仏陀は、爪先に土を盛り上げ、比丘達に見せた。

「汝らは、どちらが多いと、思うだろうか。
この爪に乗せているもの、指先の土だろうか。
この地に広がっているもの、大地の土だろうか。」

「尊師よ、言うまでもなく、大地の土です。
大地の土を、爪先の土と比べれば、実に千倍、
実に万倍、否、それ以上の違いがあるでしょう。」

「比丘達よ、これと同様に、聖なる弟子が、
未だ滅していない苦と、既に滅した苦とでは、
まさに、これぐらいの差があると、知りなさい。」

「それゆえ、比丘達よ、目先の苦に悩まず、
残る苦しみを滅する、稀なる道を進みなさい。
汝らが、法に巡り合えたのは、実に幸福である。」

 

第二章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

仏陀は、草先に水滴を載せて、比丘達に見せた。

「汝らは、どちらが多いと、思うだろうか。
この草に乗せているもの、草先の水だろうか。
この池に広がっているもの、蓮池の水だろうか。」

「尊師よ、言うまでもなく、蓮池の水です。
蓮池の水を、草先の水と比べれば、実に千倍、
実に万倍、否、それ以上の違いがあるでしょう。」

「比丘達よ、これと同様に、聖なる弟子が、
未だ滅していない苦と、既に滅した苦とでは、
まさに、これぐらいの差があると、知りなさい。」

「それゆえ、比丘達よ、目先の苦に悩まず、
残る苦しみを滅する、稀なる道を進みなさい。
汝らが、法に巡り合えたのは、実に幸福である。」

 

第三章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

仏陀は、掌に水を掬い上げて、比丘達に見せた。

「汝らは、どちらが多いと、思うだろうか。
この掌に掬っているもの、手中の水だろうか。
あの大河に流れているもの、大河の水だろうか。」

「尊師よ、言うまでもなく、大河の水です。
大河の水を、手の平の水と比べて、実に千倍、
実に万倍、否、それ以上の違いがあるでしょう。」

「比丘達よ、これと同様に、聖なる弟子が、
未だ滅していない苦と、既に滅した苦とでは、
まさに、これぐらいの差があると、知りなさい。」

「それゆえ、比丘達よ、目先の苦に悩まず、
残る苦しみを滅する、稀なる道を進みなさい。
汝らが、法に巡り合えたのは、実に幸福である。」

 

第四章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

仏陀は、棗ほどの土を持って、比丘達に見せた。

「汝らは、どちらが多いと、思うだろうか。
この手に乗せているもの、棗大の土だろうか。
この地に広がっているもの、大地の土だろうか。」

「尊師よ、言うまでもなく、大地の土です。
大地の土を、指先の土と比べれば、実に千倍、
実に万倍、否、それ以上の違いがあるでしょう。」

「比丘達よ、これと同様に、聖なる弟子が、
未だ滅していない苦と、既に滅した苦とでは、
まさに、これぐらいの差があると、知りなさい。」

「それゆえ、比丘達よ、目先の苦に悩まず、
残る苦しみを滅する、稀なる道を進みなさい。
汝らが、法に巡り合えたのは、実に幸福である。」

 

第五章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

仏陀は、掌に水を掬い上げて、比丘達に見せた。

「汝らは、どちらが多いと、思うだろうか。
この掌に掬っているもの、手中の水だろうか。
あの海に広がっているもの、大海の水だろうか。」

「尊師よ、言うまでもなく、大海の水です。
大海の水を、手の平の水と比べて、実に千倍、
実に万倍、否、それ以上の違いがあるでしょう。」

「比丘達よ、これと同様に、聖なる弟子が、
未だ滅していない苦と、既に滅した苦とでは、
まさに、これぐらいの差があると、知りなさい。」

「それゆえ、比丘達よ、目先の苦に悩まず、
残る苦しみを滅する、稀なる道を進みなさい。
汝らが、法に巡り合えたのは、実に幸福である。」

 

第六章

あるとき、わたしは、このように聞いた。

ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
ジェータ林にある、アナータピンディカ園で、
集まって来た、比丘衆に、このように説かれた。

仏陀は、棗ほどの石を持って、比丘達に見せた。

「汝らは、どちらが多いと、思うだろうか。
この爪に乗せているもの、棗大の石だろうか。
あの山に埋もれているもの、大山の岩だろうか。」

「尊師よ、言うまでもなく、大山の岩です。
大山の岩を、指先の石と比べれば、実に千倍、
実に万倍、否、それ以上の違いがあるでしょう。」

「比丘達よ、これと同様に、聖なる弟子が、
未だ滅していない苦と、既に滅した苦とでは、
まさに、これぐらいの差があると、知りなさい。」

「それゆえ、比丘達よ、目先の苦に悩まず、
残る苦しみを滅する、稀なる道を進みなさい。
汝らが、法に巡り合えたのは、実に幸福である。」


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