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銭湯のおばぁちゃん

2ch



412 :おさかなくわえた名無しさん:2007/11/10(土) 14:37:40 ID:zH18d3FQ
少し長くなるが、今から十年以上前の話。 
その頃俺は大学生の一人暮らしで、親からの仕送りも少なかったので本当にボロいアパートに住んでた。 
当然風呂もなかった。だから、いつも近くの銭湯に通ってた。 
そこはかなり年期のはいった所で常連しか来ないし、しかも若いのは必ずといっていいほど俺一人だけだった。 
それでも安かったから、番台にちょこんとすわってるニコニコしてるおばぁちゃんに150円渡して通ってた。 

413 :412:2007/11/10(土) 14:39:56 ID:zH18d3FQ
ある時、財布忘れた時があった。 
おばあちゃんに、「財布忘れて、すぐ取りに戻るから荷物だけ置かしておいて下さい」て言ったら、「気にしなくてええからお入りなさい。今日はおまけしとくから。」こんな感じの優しいおばあちゃんだった。 
それからはおばあちゃんと段々話す様になって、「また財布忘れた時があれなんで、回数券とかあったら便利ですけどね~」とかほざいたら「そうだねぇ、考えとくよ。」とゆうくらいの仲になった。 

色んな話を聞く中で、息子が一人いるが結婚して離れた場所で暮らしてること。 
銭湯で働き手がいないから、店をたたもうか考えていること。 
いつもニコニコしてるおばあちゃんだが、上の二つの話をする時だけはニコニコがなくなってた。 
その話を聞いてから俺は元気をだしてもらえるように、通うたびに150円と一緒に小さな10円のお菓子をあげた(金ないくせに)。 
それはとてもとても喜んでくれた。 

414 :412:2007/11/10(土) 14:41:33 ID:zH18d3FQ
そして俺にも大学卒業の時期がやってきた。 
おばあちゃんに地元に帰ることを伝えると、寂しそうに「お別れだねぇ…」と呟いた。 
俺も悲しくなって「年賀状は毎年絶対送るから」そう約束して住所を教えてもらった。 
それから地元に帰った俺は就職しても、ちゃんと忘れずに年賀状は毎年出し続けた。 
三回目の年賀状を送った年、返事がこなかった。そのかわり一通の手紙が届いた。 
おばあちゃんの息子からで、おばあちゃんが亡くなったと短く綴られていた。 
会社を休み、急いで手紙にあった住所に向かった。 

415 :412:2007/11/10(土) 14:43:12 ID:zH18d3FQ
たくさんの人が、そこにいた。 
家の外には顔見知りの銭湯の従業員常連さん達がいた。 
当たり前だけどみんな泣いてた。 
軽くみんなに会釈してから家の中に入れてもらうと、広間にやせ細ったおばあちゃんが寝かされていた。 
本当に寝てるみたいで、現実を受け入れられないで茫然としていると、ふいに後ろから「君、~君かな?」と声をかけられた。 
振り向くと50代くらいの男が立っていた。 
「銭湯の従業員から君のことを聞いてね。私は~の息子です。母から死ぬ前に預かってたものがあるんだ。」 
そういって封筒を渡された。 
開けてみると、銭湯の手書きの回数券と「~君、遅くなってごめんね。私の最後のおまけだからどうぞ使って下さい。」と書いてある小さな手紙が入ってた。 
それを見てはじめて、泣いた。人の目を気にせずワンワン声をあげてないた。あの時の冗談を忘れずに作ってくれていたんだ。 

俺はまた地元に帰り、翌年結婚した 
現在、今年で4歳になる長男を連れて、今は息子が番台をやっているあの銭湯に行こうと思う。 
本当に良い思い出をありがとう、おばあちゃん。 
最後に、長くなってしまったがこんな駄文を読んでくれた方、ありがとう。 


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