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娘とモンスターハンター2

2ch



「パパ、何をやってるの?」

後ろで小学校に上がったばかりの娘が聞いてきた。

「モンスターハンター2」

ちょうどドスファンゴのクエ中でぶっきらぼうに答えた。
なにせアクションゲーは苦手のためドスファンゴすらなかなか倒せない。
エリアチェンジすると勢いよくドスファンゴが向かってきた
あまりの突然の出来事に後ろで見ていた娘がのけぞるのがわかった。
あえなくクエ失敗・・。

「パパ下手くそ、私にもやらせて」

「お前にできるわけがない、すぐ死ぬよ」

娘があまりにもしつこいのでやらせてみた。
案の定すぐ2死した。
でもなかなか3死までいかない、と言うより最初にしては私よりもかなりセンスがいい。
しかしあえなくクエ失敗となり残念がっていた。

「そのモンスターかわいい~」

私にはとてもそうは思えないけど娘からみたらかわいいらしい。
なんども3死させられてる憎きクシャルダオラのことだ。
密林のクエをなんとかクリアしたものの雪山のダオラで行き詰っている。

「いっしょに戦えればいいのにね」

娘がふとつぶやいた。 うちのPS2はネットにつなげてないためソロ、オンリーだ。

「そうだな二人でできたらおもしろいな」

「パパといっしょに戦いたい。そしたらこの子も倒せそう」

「それはどうかな?」

とか言ってるうちに回復も切れてあえなく3死・・・。
その後、何度も挑戦したがクリアできない。

「パパ、これあげるよ」

ある日、あまりにも私が下手なせいか娘が緑の折り紙で作った小さな紙切れをくれた。
その紙にはひらがなで薬と書かれていた。

「ありがとう、これでダオラ倒せるかも」

最近あまりモンスターハンター2をやっていないがちょっとやってみるか。
しかしその日は突然きた。

会社で仕事をしていると妻から

「○○が頭を机にぶつけて、ずーっと泣き止まないのどうしよう」

「わかったすぐ行く」

自宅と会社は自転車で3分ほどの距離にあり仕事も店の管理ぐらいなのですぐにとびだした。
家に着くと娘が頭をかかえて痛がっていた。しかも痛がりかたが以上だった。
すぐに車で○○医大に連れて行き頭のCTを撮ってもらった。
医者からの説明

「お嬢さんの頭の中に腫瘍があります。しかもかなり深刻です。
 手をつけれる状態ではない・・・。」

腫瘍という単語を聞いた時から私の頭は真っ白になりそのあとの医者の言葉は定かではないが。

私の大切な娘は始めての夏休みを迎えることもなく静かに旅立った。
そのご妻とも離婚し小さなアパートに引っ越した。

ある日ネットを見ていたらモンスターハンターがパソコンでできる事を知った。
娘が私と一緒にやりたいと言っていたオンライン。
娘の死から少しずつ立ち直りつつある私は登録をすませ一日ちょっとずつプレイしていた。
そんなある日、あのクシャルダオラが配信されるのを知った。
娘がかわいい~と言っていたあのダオラが。

週末時間をとってダオラのPTに参加した。
2度とも失敗。
しかしダオラの動きにはだいぶ慣れた。
時間も0時に近くなり最後だと思い自分でダオラのクエを貼った。
二人はすぐに集まったがあとの一人がこない。
すると時間もぎりぎりに一人の女キャラが参加してきた。

「よろしく~、行きますね~。」

「よろ~」

「よろ」

気持ち返事まちしたが最後の参加者は無言のため飛んだ。
狩場についての挨拶もなかった。
しかも装備はランポス。
これはまた失敗だなと思いつつもダオラと戦闘。
女キャラの人はすぐに即死、そしてまた即死。
ごめんの言葉もない。
こっちもしゃべる余裕もないので無視していた。

こりゃ~すぐに3死だな他の二人もそう思っていたに違いない。
ところが2回死んだあとなかなか死なずにクエ成功。

「おつかれさま~」

挨拶をかわしてる時、その女キャラの人はグルグル私の周りをうれしそうに無言で回っている。 そして突然消えた・・。
その時うしろから

「パパ、やったね~。これからも一緒にモンスター倒そうね。」

振り返ると、小さな紙切れが落ちていた。
緑の紙に薬と書いてあった。


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