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カーチャン、ありがとう

2ch



69 :774号室の住人さん :2006/09/25(月) 19:36:37 ID:1DM49MmU

長文でスマソ。

カーチャン、手が付けられないほどやんちゃで、生意気で、言う事聞かない、

こんな俺を今まで育ててくれて、ほんとありがとう。


俺が幼稚園児だったとき、親が離婚した。

理由は父の暴力だった。

ギャンブル漬けの父は、仕事を終えて帰ってくるなり『飯!風呂!』だった。

日曜日、久しぶりに家族で出かける事になった。

行き先は競馬場だった。

でも俺はその競馬場に隣接する公園でカーチャンの作ったお弁当を二人で食べ、

グルグル回る遊戯に乗せてもらい、はしゃいでいた。

その途中に急に大雨が降ってきたが、しばらくカーチャンはグルグル回すのを止めなかった。

二人ともびしょ濡れになって、父のところに行く途中、カーチャンは泣いていた。

幼かった俺は、雨に濡れたから悲しいんだろうと思い励ましたが、

今思えば、めったにない家族でのお出かけに、息子を競馬場にしか連れて行かない父、

それを止めることができない自分の情けなさに涙したんだろうと思う。



70 :774号室の住人さん :2006/09/25(月) 19:53:08 ID:1DM49MmU

小学校に上がったある日、父は帰ってくるなりカーチャンと喧嘩していた。

俺はおびえながら隣の部屋でジッとしていた。

しばらく口論が続いたあとカーチャンの叫び声と共に、俺のいた部屋のふすまがバリバリと破れ、

バターン!と倒れてきた。

倒れたふすまの上にカーチャンが倒れていた。

父が殴り飛ばしたのだ。

次の日カーチャンと俺は、新聞配達のパートに行ってくると父に言い、

九州の親戚の家に転げ込んだ。

その後しばらくして、父とカーチャンの離婚が成立した。


親戚は暖かく迎え入れてくれた。

生活費のないカーチャンは、昼は服の販売、夜は水商売で俺を養ってくれた。

いとこのネーチャンは俺が行ったことのない動物園や遊園地に連れて行ってくれた。

小学校の転校の手続きも済んで学校へ行き始めると、友達もでき、父の暴力もない。

毎日が楽しかった。


そんな中、俺が事故にあい、片目が失明した。

真っ先にいった病院では、回復の見込みはないと言われた。

カーチャンは金がないのに色んな眼科を探してきては、俺を診察に連れて行った。

半年ほどいろんな病院を転々としたが、結局俺の片目は光を失ったままとなった。




71 :774号室の住人さん :2006/09/25(月) 20:04:09 ID:1DM49MmU

カーチャンに休みはなかった。

九州に来てからずっと働き続けていた。

心も体もズタボロだったと思う。

そして俺の事故。

途方に暮れたカーチャンは、ある夜、俺にこう言った。

『二人で死のうか…?』

俺は嫌だと言って夜も眠らずに大泣きした。

そんときはほんとに怖かった。

片目が失明した事はどうでもよかった。

カーチャンと一緒にいるだけでよかった。

それがなくなるのが怖かった。

その晩はカーチャンも大泣きしていた。


俺はいつの間にか寝ていた。

起きたら学校が始まっている時間だった。

カーチャンは『今日は学校を休みなさい』と言って、俺をデパートに連れて行った。

『なんでも好きなものを買ってやるよ』と言われた。

金がないのを知っていた俺は、いらないと言ったが、

カーチャンは『ダメ!好きなのを買いなさい』と言ってくれた。

俺はカーチャンと一緒にできるファミコンソフトを買ってもらい、

家でカーチャンと二人で楽しんだ。


72 :774号室の住人さん :2006/09/25(月) 20:50:46 ID:1DM49MmU

また楽しい日々が始まった。

カーチャンは仕事が出来る人だったのか、洋服の販売員として正社員になり、水商売は辞めた。

親戚の家から、二人でボロボロのアパートに引越した。

これでやっと普通の暮らしができる。


そう思った矢先、俺がまた事故にあった。

今度は内臓の血管が切れ、意識不明の重体だった。

全身の血液が内臓にとどまり、脳の機能が停止したのだ。

緊急の手術が必要と言われ、すぐに手術を開始した。

血液がまわっていない俺には、すぐに大量の輸血が必要だったらしく、

そのときカーチャンは泣きながら俺に輸血した。

『私は死んでもいいからこの子に血を与えて下さい!』と泣いて頼んだそうだ。

そのおかげで九死に一生を得た俺は、見る間に回復し2ヶ月で退院できた。


親戚に聞いたのだが、手術やら入院やらの費用で借金をかかえたらしい。

カーチャンは一生懸命働いた。俺を養うのと、借金を返すために。

自分の楽しみは一切ないように見えた。

販売員はキレイじゃないといけないと言っていたが、

化粧品も安物を使い、服は必ずバーゲンでしか買わなかった。

いつも晩飯は俺の分だけ用意されていた。

カーチャンは『仕事の帰りに食べてきた』と嘘をついた。

冷凍のから揚げが安かったから、俺は『から揚げが好き』とカーチャンに伝えた。

それを覚えていたのか、毎年俺の誕生日にはケーキとから揚げを出してくれた。

中学を卒業して働くと言った俺を、高校、専門学校へと進学させてくれた。

そして俺は今、社会人を経て独立しようとしている。


カーチャン。

今でもこんなわがままな息子でごめんな。

好き勝手やってんのに、カーチャンの人生を俺に捧げてくれてありがとう。

こんなボロアパートじゃなくて、自分の家を持ちたいっていうカーチャンの夢は俺が叶えてやるからな。

頑張ってデッカイ家を買おうな。

老後は俺にまかせとけ。

カーチャンは今まで働いた金を全て俺のためだけに使ってくれたから、貯金なんてないの知ってるよ。

これからは俺がカーチャンのために金を稼いでやるからな。

好きなだけ遊んでくれよな。

カーチャン、ありがとう。


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