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俺のお年玉

2ch



ガキの頃、「お年玉って全額親に行くから悔しいよな。」って、友達に愚痴ったら、
「んなことないよ。俺はそれでドラクエ5買ったよ。」って、返された。
俺ってすげえ馬鹿だったからよ~。お年玉が自由に使えるだなんて、思ってもみなかったのよ。
こりゃ、親にはめられたと思って親父に怒鳴りこんだのよ。そしたら、
「お前の大学資金に積み立てといてやってんだよ。」って、言われたのよ。
俺のためって言われたら、もう何も言うことできなくなって。大人って汚いって本気で思ったもんよ。
「でも、そうだな~、俺があげる分のお年玉は使ってもいいよ。」って、あまりに悲しそうに俺がしてるもんだから親父が言ったんだよ。
つ500円
親父よ~、それじゃドラクエ買えね。

俺はよ~、中学の時に突如閃いたのよ。
国立大学行けば、お年玉余るんじゃね?って。
で、親父に言ったのよ。そしたら、
「オーケー、国立行けたらな。」って、適当そうに親父は返事したのよ。
もう、天下取った気分だよ。気分だけは国立大学生。
それから、猛勉強したね。小中と完璧落ちこぼれからのスタートだったから、まあ大変だったよ。
意味もなく親にも当たったね。全くなんにもしね~親共だなって。
俺って馬鹿だったからよ~、分かってなかったのよ。
俺の飯作ってくれてるのは誰だとか、学費や生活費を稼いでくれてるのは誰だとか。
いや、知ってはいたよ・・・しかし、理解してなかったのよ。

知恵熱で頭ガンガンしながら、やっとこさ普通レベルの高校入れたのよ。
そっから、死ぬほど頑張って念願の国立大学には入れたのよ。

もう、天下統一寸前の織田信長の気分。さっそく、親父のとこ行って言ってやったよ。
俺「俺の(学費引いた分の)お年玉貯金返還よろしく。」
親父「ああ、お前の仕送りに使うから。一気に渡すとお前全部使っちゃうだろ?」
やられたと思ったよ。
俺ってまだまだ馬鹿だったからよ~、ひょっとしたら親父、俺のお年玉つかっちゃったんじゃないかって勘繰りまでしたよ。

大学入ってからは、また頑張ったよ。
自分の金で通ってるかと思うとやっぱ無駄にしちゃいけないなって思えるのな。
勉強にバイトに遊びに精一杯やって、ちょい貧乏だったけどいい大学ライフを送れたと思う。

楽しい光陰ほど消えるように過ぎてくもので、入ったと思ったらもう卒業。
就職も何とか決まって親に報告しにいく。
俺「就職決まったわ。」
親父「頑張ったな。おめでとさん。」
親父、俺に通帳渡す。
俺「お、お年玉残り?どれどれ。」
そこには全く使われてないお年玉が入っていた。それどころか毎月一万円ずつ積み立てられていた。
俺「親父・・・」
母ちゃん「もともと、あんたのお年玉は使うつもりはなかったのよ。こういう風にすればあんた頑張って勉強するようになるでしょ?」
俺「母ちゃん・・・」
親父「引っかかった引っかかった!」
種明かしができて親父は嬉しそうだ。
俺って馬鹿だからよ~、十数年騙されてるのに全然気づかなかったのよ。
なんか悔しいのか嬉しいのか良くわかんなくなっちゃってさ。この時なんも言えなくなっちゃのよ。
この金使えねえよ・・・

初任給がでたから、温泉好きな母に温泉旅行プレゼントして、家族三人で行った。
まあ、嬉しそうでさ。親父なんて普段あんまり飲まないのに酒ぐいぐいいっちゃってんの。
食事も温泉も一通り楽しんだ後で親父に
俺「今までありがとう。」って言って、ちょっといい万年筆をプレゼントしたのよ。
俺って馬鹿だけどさ、この時二人が何で泣きだしたかは、何となく分かったよ。
でも、何で俺まで泣いてるんだろうな。


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