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くしゃくしゃの一万円札

2ch



俺には優しいおじいちゃんがいた。
親に怒られて泣いてる俺を慰めたり、病気になったときには手厚く看病してくれた。
俺の親は二人共働いて、家にいるときは少なかった。そのときに世話を見てくれたのもおじいちゃんだった。
でも、高校生のとき、おじいちゃんに嘘をついてお金を貰ってしまった。
「おじいちゃん、友達にお金返さなくちゃいけないからお金貸して。」
そしたらおじいちゃんが、
「おお、そうか。借りたものは返さなくちゃなぁ。」と言い、俺なんかにお金をくれた。
今でも覚えている。
くしゃくしゃの一万円札だった。
俺は何も悪びれることも無く、その一万円札を遊びに使う。
一回だけじゃない。何回も…

それから2年後、おじいちゃんは亡くなった。
肺ガンだった。

棺桶に入れられたおじいちゃん。すっかり痩せていた。

俺はすすり泣いた。
誰にも見られないように外へ。
そしたら父が来て、いきなり俺の頬を殴った。
意味も分からず殴った父に俺はキレて、父のシャツの襟を掴んだ。
そしたら父が、
「お前、じいさんを騙して金を貰っていただろ!」
と言った。俺は言葉も出なかった。
更に父は追い撃ちをかけるように俺に話しました。
父は、俺がおじいちゃんから金を貰う現場を見ていて、怒ろうとしたら、おじいちゃんが、
「怒らないでやってくれ。私があげているんだ。ばあさんもいなくなって、かまってくれるのは孫だけになってしまった。だから、嫌われたくない。」
と言ったこと…。
それを聞いた俺はすぐおじいちゃんが眠っている棺桶に走っていき、泣きながら謝った。声が枯れても謝り続けた…。


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