My Library Home

ゲンちゃんのたばこ屋さん

2ch



602 名前:なごみ[sage] 投稿日:2010/07/16(金) 17:56:58 ID:cm+xInEtO
>>601
で思い出した。

昔、実家で犬を飼っていた。
犬の名はゲン。
家の前の道路は通学路で、柵越しに道路に面した犬小屋には小窓が開いてた。
子供好きなゲンは良く顔を出しては、子供たちと触れ合っていた。
親父が古いたばこの自販機のパーツをどこからか拾ってきて、
小窓の上に「たばこ」と看板を付けた。
子供たちは「ゲンちゃんのたばこ屋さん」と呼んでいて、
窓越しに触ったり、お菓子や給食のパンを残して持って来たりしてた。

つづく

604 名前:なごみ[sage] 投稿日:2010/07/16(金) 18:08:36 ID:cm+xInEtO
なにぶん通学路だから、毎朝同じ時間に大勢の子供たちが通り、ちょっとだけ撫でては通り過ぎる。
夏休みとかになると、子供たちが通らないので、ゲンは寂しがっていた。

そのゲンも、八年ほど生きて静かに死んだ。

子供たちが、空っぽの犬小屋を覗き込んでは
「たばこ屋さん、今日もお休みかなあ」
と言うのに母が堪えきれなくなって、貼り紙をした。

ゲンちゃんは死んでしまったこと。
だから、ゲンちゃんのたばこ屋さんはもう店仕舞いだと言うこと。
ゲンちゃんは子供たちが大好きで、いつもあなたたちと会える朝を楽しみにしていたこと。

翌朝、子供たちが自分たちで摘んで来た花を持って訪ねて来た。
暫くの間、たばこ屋さんの窓口には、野に咲く花やお菓子が代わる代わる手向けられていた。


Page Top | My Library Home