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女の子との帰り道

2ch



11:コピペ:2005/10/27(木) 13:43
もう四年近く前、大学に入ったばかりで男友達もいない頃。
その日は雨が降っていた。
大学を出て、俺は傘を持ってきてなかったので早く帰ろうと
近道になりそうな、いつもと違うルートで家へ帰ることにした。
今日も授業が終わったという独特な幸せな気分で歩いていた。

と、その時俺の頭に隣を歩いている人の傘があたりそうになった。
俺は反射的にそれをよけた。しかし再び傘が俺を襲ってくるじゃないか。
不思議に思った俺が横を見ると傘を持った背の低い女の子が背伸びして
俺の頭上に傘を届かせようとしている。俺はまた反射的によけしまった。
するとその女の子は俺に何か言葉をかけてきた。
(この時彼女がなんと言ったかは思い出せない)
この時初めて俺は彼女が俺を傘に入れようとしてくれていることに気づいた。
彼女は駅から電車で帰るので駅まで送ってくれると言った。(俺は徒歩で家まで)
もちろんこんな出来事生まれて初めてなので俺は戸惑ってしまい
しばらくの間は無言のまま彼女の傘に入って一緒に歩いていた。

その内向こうから積極的に話し掛けてきてくれて会話はぎこちないながらも続いた。
話を聞くと彼女も一回生で、学部は違うものの出身地方が俺と同じで親近感がわいた。
駅につくまで俺は終始どきどきして声も多少うわずった感じだと思う。
情けない話だけど小学校時代を除けば女の子とこんなに会話をしたのは後にも先にも
この時ぐらいのものだと思う。

やがて駅について彼女と別れなければならない時がやってきた。
傘から出た俺がしつこいくらいに「ありがとう」を繰り返すと
彼女は笑いながら「雨降ってたから当たり前だよ」と言った。
彼女が改札を通った後も俺はしばらく眺めていた。
最後の最後まで俺のせいで会話はぎこちなかった。
でも俺にとってはあまりにも新鮮な出来事だった。
しかしその女の子の名前は聞かなかったし、顔もなぜか忘れてしまい。
その女の子とはそれ以来、就職の内定した今でも会ったことがない。
それ以来別の女の子とも会話したことがない。

あの子はなんだったんだろう。
いつも通らない道を通った俺に神様がささやかなプレゼントをくれたんだろうか・・
入学当初で彼女も友達がおらずとにかく友達がほしかったのかもしれないな。
親切心で俺を傘に入れてくれただけなのにこんなことを考えるのは馬鹿げてるけど
やっぱりもてる人ならここで「お礼に・・」とか言って次回会う約束をとりつけるんだろうか。
でもあの時の女の子ありがとう。本当にうれしかった。
こんないい人が世の中にいるんだなと思った。


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